きくちゆうきさんの4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」がネットで話題になっていますが、内容は私たちにもありがちなワニ君の日常生活が描かれています。もちろんワニ君は自分が100日後に死ぬことを知りません。
健康体で生きているほとんどの人は「100日後に死ぬ」どころか「自分が死ぬ」なんてことは考えないでしょう。「自分の身に事故が起こるかもしれない」なんてことも考えないでしょう。
たいていの人は大病に見舞われたり、事故などで命の危機に直面したときに初めて、人生に終わりの日が来ることを身近に感じ、「人生の日々をいかに生きるべきか?」を考えます。
私自身、2年半前の突然の「ステージⅣ、5年後の生存率40%未満のがん宣告」、「手術をしなければ余命3か月くらい宣告」で初めて考えました。10cmのがんが気管の半分以上を塞いでいるため手術で気管ごと切除しなければ、呼吸が出来なくなる。それまでの予想時間は3か月くらい、手術中、術後の合併症で亡くなる可能性も20%とのことから、3年ならともかく3か月は人生の整理をするには短すぎると思い悩んだ末、手術を受けることを決意しました。そして、手術の日までの約1か月にやるべきことは、当時、勤務していた会社の東京営業所の仕事の引継ぎ、事務所の整理、身の回り品の整理、妻や娘、息子への伝言製作と思い、それらに費やされました。そして、家族に手を振り手術室へ向かったものです。
手術は、名医による執刀で無事に成功し、半年近い入院、鴨川での半年の通院、療養生活を経て今日に至っています。実に運がいい男です!!
「100日後に死ぬワニ」君と違って、ドクターに「100日後に死ぬ」ことを教えていただけたのですから・・・。
治療で多くを失ったものの、再発、転移の恐れは付きまとうものの、手術中、その後の合併症で逝くこともなく、今もこうして生きていることから、この選択は、間違いなかったと考えています。
そして、生かされた日々をどう生きるべきか考えながら生きているのです。
同時に人生で最も大切なものも得ました。「この世で何をしておくべきか?」「何が大切か?」「誰が大切か?」を考えます。そして、人生が永遠に続くような幻想の中で、「いかに時間を無駄に費やしているか」「いかにつまらないことにこだわり大切な時間を費やしているか」に気が付いたのです。
そして、「あの世に持っていけるものなどない」こと、絶対にやっておかねばならないことはこの世で出会い愛した家族、友人の心に思いを引き継ぐことだけということにも気が付きました。
この漫画を読めば、あなたも「もし、自分の命があと100日だったとしたらどう生きるか。」 を考えて日々を大切に生きるきっかけになるかもしれませんね。