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『BIGTOEの筋肉物語』レビュー「忠さんのショートストーリー」5

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「BIGTOEの筋肉物語」発足当初の連載記事レビュー「忠さんのショートストーリー」です。

 

忠さんには複数のモデルが居ますが、写真とは関係ありません。

【Short Story 『This is CYUUSAN』】レビュー5

完全無欠の史上最強のボディビルダー忠さんを主人公にしたフィクションショートストーリー集。

 

★≪第二十一話≫「ベストシェイプキーパー」

太った人を見かけると「なぜあんなになるまで放っておいたんだろう?」と忠さんは思ってしまう。と同時に最近自分自身歳のせいか太り気味なのを自覚している。立派だ。

始末に悪いのは何事においても自覚症状のない人だ。能力も無いのに「出来る」と勘違いしている人。信用のかけらも無いのに「自分は部下の信望が厚い」と思っている上司などだ。痩せているのに太っていると思っている娘も困り者だが、太っているのに痩せていると思っている人(食欲に勝てないだけで、そんな人は多分いないと思うが)は始末に悪い。

そこで忠さんの発明品「ベストシェイプキーパー」の登場だ。自分のベストシェイプを形どった型というかフレームだ。特注でボーナスをつぎ込んで樹脂成型屋に作ってもらった。高かった。

忠さんは毎朝そのフレームに入って体型を確認していた。キツイと飯をぬいた。ゆるいとチューハイを飲んだ。なんと健康的と思っていた。

その年のゴールデンウイーク、久しぶりの大型連休だ。だが、ジムは休みだし嫁も数年前、銭湯に行くといって洗面器を持って出かけたまま未だに帰ってこない。

ここのところ仕事で睡眠時間が少なかったので、暇にまかせて思い切って寝て過ごすことに決めた。でも忠さんのビルダー魂は死んでいない。体型をキープするため型の中で寝ることにした。

よっぽど疲れていたのだろう。忠さんは3日3晩眠り続けた。3日後、忠さんは目を覚まし、型から出ようとしたが出られない。やばい、太ってしまったのだ。

これ本当のようなウソの話。普通は3日3晩食べずに寝てたら痩せます。

こんなくだらないことを考えている私の横では丸々と太った兄ちゃんがアンパンをしっかりと握って船を漕いでいた。

 

★≪第二十二話≫「トレーニング三昧」

トレーニング三昧。仕事なんかせずに1日中トレーニングして、プロテイン飲んで、ゆっくり本でも読みながらサンタンをし、そして側には美しいガールフレンドがいる。ストレスなんて全くない。

そんな生活をすれば、体もスクスクとデカク育つだろう。忠さんならずとも、熱心なトレーニーなら誰もが一度はそう考えたことがあるはずだ。

でも、たいがいのトレーニーは「そんなの無理、ムリ。最近は忙しくて1日30分のトレ時間だってとれないよ。」などと言いながら、酒を飲んで、くだをまき、喫茶店でタバコを吸いながら仕事をさぼっている。

忠さんは、めったに酒は飲まない。女におぼれることもない。たまに風呂で溺れることはある。タバコは決して吸わない。理由は健康のためというよりも煙では腹が膨れないからだ。「時間がない」決してそんな言い訳はしない。「なぜ、1日30分の時間がとれないのか?」そう思っている。

頭を使えば、やる気があれば、トレーニング三昧も夢じゃない!!で、早速やってみた。思いたったら即実行。忠さんらしい。

朝起きたら、歯を磨きながらワンレグカーフ、通勤電車の中では吊革を使ってのアイソメトリックカール、普通アイソメトリックスは全力で10数秒だが忠さんは片道1時間のフルタイムだ。空いている電車では吊革でのチンニング、仕事中はいつも腰をうかしたままでのデスクワーク、車に乗ればハンドルを使ってのアイソメトリックベンチ、一度ハンドルローイングをしてハンドルを引き抜き、田んぼに落ちたことがあるので今はしない。帰りには、近くの公園の低鉄棒でスクワット、一日の締めくくりはふとんの中で寝るまで腕立て伏せだ。

まさにトレーニング三昧。忠さんは実に幸せな男だ。

忠さんはデートコースにも必ずジムトレをいれる。唯一、それでも逃げなかった女(ひと)・・・。それが忠さんの嫁だ。

(※ネットで見つけた忠さんの仲間?何でもあるもんです。)

 

★≪第二十三話≫「受けてるぞ!」

ある年のコンテスト。

ある選手。「あ~っ!えらいこっちゃ。ビルパンに穴あいとる。そや、確かホールの特売場でビルパン売っとったな。」・・・てな理由で穴あきパンツを放り投げてビルパンを買いに走った。放り投げられたパンツは運悪く、忠さんの開けっ放しのバックの中へホールインワン!!

トイレから戻った忠さんはそんなこととはつゆ知らずビルパンを履き替えにかかった。忠さんは、長年の習慣で予選と決勝では違う色のパンツで出場していたのだ。

加えて運悪く、穴パンは忠さんのビルパンと全く同じ色、サイズだった。

いよいよ、決勝。

「ゼッケン30番、NBC所属、忠さん!!」忠さんはテーマ曲、阿波踊りのリズムにのってステージに登場し、得意のフリーポーズが始まった。

「えらいやっちゃ、えらいやっちゃヨイヨイヨイヨイ・・・」最高の乗りだ。

忠さんが後ろを向いて得意のバックポーズを取り始めた時、会場にどよめきとも思える声があがった。ちょうどパンツのド真ん中にこぶし大の穴が開いていた。

やんやの喝采!忠さんは穴のことに全く気づいていない。

「う・受けてるぞ!!」と思った忠さんは調子にのって得意のバックポーズをとり続けた。そしてダメを押すように腰を深く下ろしてのバックダブルバイセップス。その瞬間こぶし大の穴はさらに広がりポロリと飛び出した。会場、大爆笑。事実を知らない忠さんは「受けてるぞ!」・・・と思った瞬間、審査員が立ち上がって叫んだ。「た・退場させ~えい!!」

当日は運悪くHHKテレビが取材にきて全国に生中継されていた。

5年間の出場停止・・・。「そ・そんな・・・。」忠さんは本当についていない男だ。

(※この画像は、イメージ画像であり忠さんとは何の関係もありません(笑)。)

 

★≪第二十四話≫「もてる男はつらい」

忠さんはもてる男である。忠さんは60近いおばさんに恋こがれられていた。一方心なしかキュートだが毛深いミスター・レディのミミーちゃんからも恋を打ち明けられていた。

ある日、忠さんは二人に迫られた。

「忠さん、いつまで私らを待たせるつもり!!今、ここでどっちを取るか決めてちょーだい!!」「ねえ、どっち!?」

忠さんは、しばらくの沈黙のあと二人に言った。

「じゃ、ちみたちは「カレー味のうんこ」と「うんこ味のカレー」のどっちかを取れと言われたらどーすんの?」

もてる男はつらい!!

 

★≪第二十五話≫「決意」

底なしの平成不況の中、忠さんはトレーニングに励んでいる。一時は会社をいつクビになるともわからないと言う不安から「トレーニングどころじゃない。」とトレーニングに身がはいらない時期もあったが、やっぱ、トレーニングが好き、離れられないのだ。

 

当時、忠さんが、ジムの会長に「俺も年やし、会社もいつまでもつか、ヨメも探さなあかんし、トレーニングどころやおまへん。」と言うと、「アホ、そら言い訳や。男やったら仕事はしっかりせい。トレーニングも命かけい。そんなんやから、何をやっても中途半端でコンテストも優勝できひん。ヨメにも逃げられるんや。玉子食うんやったら1パック食え!鳥食うんやったら一羽丸ごと食え!うどんは喉から出るまで食え!!プロテイン飲むんやったらスプーンなんか言うとったら大きなれへん。ドンブリや。プロテイン代?出世払いや。」

そう、ビルダーというからには、普通の人と同じではダメなのだ。すさまじい体が必要なのだ。それには人と同じことをしていては絶対になれない

 

会長の熱い励ましに涙が出てきた。そして、「決意」を新たにする忠さんであった。

その晩、偶然ショットバーで知り合ったナイスバデイの女と意気投合した忠さん。男以外と話すのは何年ぶりか。すっかりコーフンして漏らしそうだった。店をはしごしながら女に会長の話を言うと「アホクサ。忠さん、そんなんしたら体壊すだけよ。もっと、自分を大事にして。私、忠さんと離れたくない!!」と言われた。

「そやろ!わしもそう思うとったんや。ガハハ!!」豪快に笑う忠さんであった。

久しぶりに酔った忠さん。気がつくと公園のベンチでひとり寝ていた。

ポケットを探るとサイフがなかった。

忠さんが久しぶりに酔ったのは、酒では無く、またしても若い女の色香であった。

このぶんでは、当分優勝なんてできそうにない。

 

★≪第二十六話≫「電子レンジ」

忠さんの勤務先では毎年秋に成人病検診が行なわれる。「たまには検査にひっかかってしばらく入院でもしてゆっくりしたい。」と期待するのだが、トレーニングの成果か毎年健康体と言われ、「たまには病院で美人看護婦に囲まれてゆっくりと静養」という忠さんの夢は今だかなえられていない。

 

成人病検診といえば、毎年、胃のレントゲンで飲まされるバリュームが悩みの種だ。いや、味がどうこうと言うのではない。味と飲みにくさでは昔の解けにくい超まずいプロテインで鍛えられている忠さんにとっては「美味」なのだ!!が、しかし、そのあとがいけない。いくら下剤を飲んでも胃腸が丈夫な忠さんには効かない。その結果は言うまでもなく下腹がはりバリューム排泄との闘いとなるのだ。

それにもうひとつ。忠さんは柄にも無く緊張するタイプなのだ。検査となると便が毎年出ない。そこで考え抜いたあげく思いついた名案がこれだ。

検査の1週間前、忠さんは「大」を予め採取しておいたのだ!!ヒントは予め採取しておいた血液を冷凍保存しておき、試合前に体内に戻し赤血球の数を増やし競技能力を高めるという血液ドーピングである。

検査当日、寝坊した忠さんは急いで会社に向かったが時間が無い。会社の冷凍庫から取り出した冷凍便を電子レンジに放り込んだ!!「チ~ン!!」

その結末は・・・。賢明な皆さんならもうわかるだろう!!

その日以来、誰も会社の電子レンジを使っていない。

 

★≪第二十七話≫「ドーピング」

オリンピックが開催されるたびに話題になるのが「ドーピング」。かって、アーノルドも使ったというダイアナボール、ベン・ジョンソンで有名になったスノゾロールなどのアナボリックステロイド(たんぱく同化ホルモン剤)、マラドーナで有名になったダイメタドリンなどの興奮剤。はては血液ドーピングと様々。

忠さんには、縁遠い代物である。しかし、忠さんは信じてやまないことがある。

ある日、街角でインタビューを受けた時のこと。インタビュアーが質問した。「凄い体をされてますねえ。今、オリンピックでドーピングが話題になっていますが、ズバリ、Dしてますか?」

忠さんは小さな声で答えた。「YES・・・ザ・ザ●ス!!」

そう、忠さんは21世紀になった今でもプロテインをドーピングと信じているのだ。


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