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昔々の台湾日記(ONCE UPON A TIME in TAIWAN)②

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【交通編】≪台湾の交通事情≫

 

1992年8月、滞在先のホテル「新仕商務旅店」にほど近い台北市内の街角、中山北路(チョンサンペイルウ)と民生西路(ミンセンシールウ)の交差点(路口 ルーコー)に立っている。

 

時間は午前8時45分。約束の時間はとうに過ぎているのに迎えの呉さんはまだ来ない。

目の前に並ぶ車の集団とその間を縫うように走るミニバイクの群れを見ていると。彼に文句を言うわけにもいくまい。

と、突然、目の前のバイクの集団がまるでレースのスタートを切るように走り出した。信号が変わったのだ。そのバイクの集団をかすめるように車が、バスが移動していく。けたたましいクラクションと共に排気ガスの強烈な臭いが鼻を突く。

「ヨシガさん」突然、呉君の声。額から汗を流して近付いてくる。

待ち合わせの場所の目印を見落としたのだと言う。このラッシュと路上駐車を見れば、まだ運転に慣れていない彼にとって仕方のない事かもしれない。数百メートル歩いてやっと車へ辿りついた。

 

「台北で運転をしたいか?」と聞かれると、答えは「NO!」だろう。

台北の交通事情は日本のそれと比べるとかなりひどい。これも慣れればどうと言う事もないのかもしれないが・・・。

まず道は特に狭いというわけではないが悪い。いたるところに凸凹があり、「工事が必要だな」と思うところが目につく。

その為か、はたまた排気ガスのためか、街全体が埃っぽく、灰色っぽく見える。ドロ、埃を被った車、凹んだ車がやたらと目につく。そして、交通量が多く、ラッシュ時の街の様子は見ていて飽きない。

 

車線は在って無いようなもの。車と車の間隔は10cmくらいだろうか。少しでも車間が空くとその間にミニバイクが、車が、バスさえ入ってくる。台湾ほどサイドミラーの有難さを感じるところもそうはないだろう・

かなり強引ともいえる車線変更、割り込みが当たり前のように行われている。とにかく、ここでは先に突っ込んだ方が勝ちなのだ。交差点では信号が赤でも平然と通過していく車が目につくし、空いている空間を当てずにすり抜ければOKという気さえする。バイクと言えば、3人乗り、5人乗りさえ見られる。一家全員が乗っているのか?

 

交差点を曲がる時、日本では直進車が優先だが、平気で曲がっていく車が見られるので、呉くんに聞いてみた「どっちが優先なの?」呉クン曰く「先に行った方が優先」だそうだ。もう一つ訊いてみた「タクシーに乗ったら信号が赤なのに無視して交差点を通過したよ」呉くんの返事「ここでは信号を信用していない、自分の目で確かめて渡るから安全。日本人は信号を信用するから事故を起こす。」のだそうだ。

人も負けていない。クラクションを鳴らされようが、車が来ていようが、平気で車とバイクの間を横断していく。慣れればどうと言う事はないのかもしれないが、事故に遭遇するチャンスが多いのは事実だろう。実際にこの短い期間に何度も事故を目撃している。タイミングひとつで事故が起こる。それが台湾だ。

 

もし、私がここでハンドルを握ったら、台北市内を横切る間に何回事故を起こすか賭けをすれば面白いかもしれない。

目の前でおかまを掘る事故を見たが、大きな損傷がないと見たのか、「パイセ、パイセ(ごめん、ごめん」」でケリがついていた。警察も人身事故ならともかく小さな日常茶飯事の事故には申告が無ければ見ていても関与しないらしい。

 

もう一つ、大きな特徴を忘れていた。数百、数千とも言える夥しい数のバイクが群れを成して走っていることはすでに話したが、その多くがマスクをしていることである。排気ガスから身を守ることを思えば当たり前だろう。マスク文化が根付いている台湾でマスクを売れば儲かりそうだ(笑)。

(1992.8.23)


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