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人生会議

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吉本興業の小籔座長が登場する厚生労働省の「人生会議」の啓発ポスターが話題になっていますね。人生会議とは、ACP(Advance Care Planning)をわかりやすく日本語化した物だそうで、もしもの時のため、病気や加齢で終末期を迎えて自身の意思表示が出来なくなる前に自身が望む医療について家族、医療関係者、ケアチームなどと話し合い意思表示をしておき共通の認識を持っておく、亡くなった時の本人の希望などについても家族と話し合って伝えておくことのようなのですがいまいちピンとこないのが正直なところだと思います。

 

押川勝太郎医師ががん治療の専門医の立場からYOU TUBEでわかりやすく述べられています。

https://youtu.be/Q92XfHqpToY

「人生の〆切に気がついた人が取り組むべき人生の終わりから逆算した生き方相談」と表現されています。

 

この世に生を受けたものの宿命として必ずや早晩死ぬ時がきます。これは誰にも避けることが出来ません。不公平が多い人間社会においてこれだけは公平です。

 

にもかかわらず、私自身も2年半前、「ステージⅣの気管癌」と宣告されるまで考えても見なかったことでした。

 

癌告知後、セカンドオピニオン、そして開き直って入院、手術、放射線治療を経て今日に至るわけですが、当然のことながら、退院後はこの世でやり残したこと、整理しておくべき事などを考えて生きるようになりました。オフ会もThe Finalとしてやりました。本も出しました。自宅も処分しました。永代供養墓も準備しました。葬式も小さなお葬式、家族葬と家族に告げています。物と人の断捨離も進めています。

 

しかし、私自身もそうであったように、多くの人は元気なうちに自分が死ぬ時のことなど考えていません。避けては通れないこととわかっていながらも「縁起の悪いことを言うな」とあえて避けて通る人も多いでしょう。SNSの記事へのアクセス数、「いいね」の数をみてもその傾向は見てとれます。

 

若いころは、人生はずっと続くくらいに思っていますし、若くなくても健康でいけいけドンドンの時には、考えたくもないし考えないでしょう。ある意味当然です。

 

でも、終末と言うのは、歳をとればその確率が高まりますが、若い人にも突然やってくることもあるのです。私は若いとは言えませんが、平均寿命まではまだまだあります。家のローンを抱えてましたし、仕事も現役でした。暴飲暴食はせず体も鍛えていました。にもかかわらず、突然、終末とも思える「癌罹患」を告げられたのです。がんの患者会のサバイバーたちも20代から50代の若い世代が多いのが現状です。突然死ということも考えられます。

 

「人生会議」の啓発ポスターへは賛否両論があるでしょうが、私見としては、私の父も終末期には認知症で今話したことを数分後には忘れる、遂には何を聞いても「わからん。」、「覚えん。」と言った状態でしたから、そうなる前に、自分の意思が伝えられなくなる前に、家族、医療者、ケアチームまでとは言わないまでも、家族の間では自分の思いを伝えておくべきだと思います。

最後に、押川勝太郎先生が紹介しておられる緩和医療医師 大津秀一先生の著書「死ぬ時に後悔すること25」からの言葉。

 

「明日死ぬかもしれないと思って生きてきた人間は、後悔が少ない。明日死ぬかもしれないと思う人間は、限られた生の時間を精一杯生きようとする人間であり、一日一日に最善を尽くそうとする人間である。一期一会を思う人間である。」

 

元気なうちに一読して自身の人生について考える時間を持つのは良い事だと私は思います。


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