今日からは、『BIGTOEの筋肉物語』よりのリビューで、2000年代前半のトップビルダーへのインタビューです。20年近く経過したことになりますが、今のトレイニーにも参考になることと思います。
【BIG TOEのインタビュー】
第一回 岩尾雄一郎
記念すべき第1回は2001年ジャパンオープン優勝、岩尾雄一郎選手に登場していただきました。(2001.12)
≪プロフィール≫
1967年10月1日生 兵庫県芦屋市在住
(ボディサイズ)
身長・・・170cm
体重(オフ)・・・98kg。今年は88kgに抑えます。
体重(オン)・・・78kg
最大胸囲・・・120cmぐらい
最大腕囲・・・98kgの時にパンプで52cm
大腿囲・・・98kgの時にパンプで73cm
(パワー)
ベンチプレス・・・オフで150kg
スクワット・・・オフで200kg
デッドリフト・・・オフで210kg
カール・・・60kgx4レップス(ストリクト)
(ボ歴)・・・10年目
(コンテスト歴)
’99年ミスター大阪優勝
’99年ミスター関西優勝
’01年ジャパンオープン優勝
(所属)スポーツジムB&F
BIGTOE:『岩尾さん、本日はお忙しいところありがとうございます。遅ればせながらジャパンオープン優勝おめでとうございます。これからは井上選手とともに関西勢の顔としてミスター日本、そして世界へと飛躍することを期待しています。
さて、早速ですが、ひとことインタビューいかせてもらいますんでヨロシク!!』
≪トレーニングについて≫
BIGTOE:『まずはトレイニーの皆さんが一番聞きたいと思っておられるトレーニングについてお伺いします。その太い腕、脚をつくる秘訣は?』
岩尾:○高重量(自分にとって)セットと高回数セット
○広い可動域(特に脚はフル基本)
○ストリクト。
○重量を上げる為に可動域とフォームを犠牲にしない。
○必要最小限のセット数
○工夫と執念。
○マンネリにしない。
BIGTOE:『バルクアップのポイントは?』
岩尾:腕、脚と同様。追い込まないと大きくならないと思います。
BIGTOE:『減量のポイントは?』
岩尾:減量時に重量が落ちてきたら素直に落とす。その内またあがってきます、減量中でも。
くさらないように。でも可能な限り落ちないように食事を工夫する事でしょう。
BIGTOE:『1回のトレーニング時間はどのくらい?』
岩尾:1時間が基本。
BIGTOE:『好きな種目は?』
岩尾:その時に効いていたら全て。でもやはりトライセップス・エクステンションですね。3頭はどうも特別みたいです。
ハック・スクワットも好きかもしれません、きついけど。
BIGTOE:『好きな部位は?』
岩尾:腕、脚。弱いですけどトレーニングは胸も好きです。そんなにしんどくないし。
BIGTOE:『多用するテクニックは?』
岩尾:レスト・ポーズ。ディセンディングセット。
フォースト・レップもしますけど、可能な限り自分だけで上げる。
BIGTOE:『トレーニングの特徴があれば?』
岩尾:ほとんどの種目が2セット。1セットは高重量。もう1セットは高回数。これが最小限のセット数です。
なかには1セットしかしない種目もあります。ピラミッド法はきらいです。1セット目に最高重量をします。
もちろんウオームアップはピラミッドで上げていきますけど。
BIGTOE:『高重量だけでなく、高回数も行なう。セット数は各種目2セット。フォームを犠牲にしない高重量、フルレインジ、ストリクトで追い込む。これが岩尾選手のトレーニングのポイントのようです。
「好きこそものの上手なれ」と言いますが、岩尾選手の腕、脚はまさにその賜物ですね。
「月刊ボディビル」の山岸選手との「ガチンコトレーニングバトル」の取材を見せていただきましたが、トライセップスイクステンションライイングを95キロで肘を固定して5~6回やるのには驚かされました。』
≪食事について≫
BIGTOE:『次は食事についてお伺いします。バルクアップ時に心がけていることは?』
岩尾:20代から去年まではとにかくがむしゃらに食べました。今年はタンパク質の量は減らさず、脂肪は抑えています。
炭水化物は相変わらず米を中心によくとっています。サプリメントはさほど重要視していません。
BIGTOE:『減量時に心がけていることは?』
岩尾:タンパク質はOFFの量をキープしながら、脂肪と炭水化物を段階的に落としていきます。
とにかく可能な限り練習での使用重量を落とさない様、MAX3k/1ヶ月をメドに。
BIGTOE:『サプリメントは何を摂っていますか?』
岩尾:クレアチンとプロテインぐらいです。以前ヨヒンベが安いからと摂っていましたが、最近は使ってないですね。
皆さんあれはあまり摂らないほうがいいと言うし、お金がないんで(笑)。
BIGTOE:『関西テレビ「ナンボDEなんぼ」の中で、食事は鶏肉とドンブリ飯でしたなあ。そう言えば、小山裕史さんも現役時代にはドンブリ飯、サバ缶、納豆を大量に食うと言っていたのを思い出しました。
サプリメントは、わたしもプロテイン、クレアチン、マルチビタミン&ミネラルです。』
BIGTOE:『ボディビルを始めたきっかけは?』
岩尾:トレーニングそのものは中学1年の腕立て伏せから始まり、鉄アレイ、通信販売のバーベルセットとステップアップしました。本格的にボディビルの練習をスタートしたきっかけは井上選手に腕相撲で負けた時からですね。
BIGTOE:『実は私も元々ガリガリで中学時代に柔道部の主将の馬場くんと相撲をして思い切り地面に腰投げで投げつけられました。(名前からして強そうでしょ。)このときから強くなりたいと思いましたねえ。痛む尻をさすりながらさっそくエキスパンダーとダンパーを買いに行きました(笑)。』
BIGTOE:『ボディビルをやってて良かったことは?』
岩尾:自分の好きな事が思いっきりできる事。色々な経験ができた事。なによりも自分の理想の体に一歩一歩近づいていく事。そして全国大会に出られた事ですね。高校時代、剣道でインハイに出るのが夢でしたが。それをボディビルで達成できた。しかも入賞するとは数年前は思いもしなかった。
BIGTOE:『テレビにも出られましたね(笑)。わたしも塚本さんの尻にくっついて「突ガバ」に出て以来、「ビックリ日本・・」、このあいだの岩尾さんも出た「ナンボDEなんぼ」と。これもボディビルをやってるからですね。岩尾選手にはボディビルをもっとメジャーにするためにもいい番組にどんどん出てもらいたいですね。』
BIGTOE:『岩尾選手にとってボディビルとは?』
岩尾:自分が持っている素質の追求。生きるべき支え。
BIGTOE:『2002年の目標は?』
岩尾:全日本6位以内。2001年は最後まで緊張が続かなかった。反省しています。
BIGTOE:『好きな言葉は?』
岩尾:座右の銘はないんですが、並の事したんじゃ、けっして並以上にはなれない、という事。
BIGTOE:『ボディビル以外の趣味は?』
岩尾:今でもたまに剣道を。70~80年代の音楽。バイクも乗りたいです。こけてケガして手放したんですけど、最近また虫がうずいてきて・・・。
BIGTOE:『若いトレイニーたちに一言』
岩尾:自分を信じて、自分の素質を100%咲かせる為に努力と研究を惜しまない事。それには執念と継続と情熱が必要です。がんばればきっと結果(必ずしも順位ではない。)が出てきます。
BIGTOE:『BIGTOEにも何か一言お願いします。』
岩尾:関西、大阪のボディビルを盛り上げてください!!それともう一度その勇姿を見たい!あの背中を!
BIGTOE:『今日は、真剣に答えていただきほんとうにありがとうございました。若いトレイニーにとっても得るところが多い内容だったと思います。でも、大切なのはそれを実行するかしないかなんですよね。岩尾選手はそれを実行してきたから結果を出せたんですね。
岩尾選手には2002年もよりいっそうの御活躍を期待しています。
えっ、私ですか?現在、老朽化した体の再生工事中です(笑)。期待せずに待っていてください!!今、背中の筋を痛めているのが治りません。ん~、歳からくる神経痛かな?(笑)。』